Monday March 15, 2010 at 17:09
以前書いた、しょうもないネコのお話(笑_
*ネコと花*
絵:おはなし / にへい
。。。。。。。。。
ボクはネコ。 名前は無いよ。
だってノラネコだもん。
いつも気ままにそのへんをウロウロしているのさ。
だってノラだもん。
でも、ノラだからってヒマじゃあない。
いつも食べ物の心配をしてなきゃならないからね。
縄張りだってあるから、どこにでも寝られるわけ
じゃないし。
たまには、ネコ好きのオバさんが食べ物をくれる
ことも
あるけども、強いネコが先に食べちゃうことも
多いしね。
まあ、そんな生活だけど、こういう生活、キライ
じゃないんだ。
にんげんに飼ってもらえば、あったかい部屋にも
いられるだろうし食べ物だっていつももらえるだろうけど、
にんげんの都合でベタベタされたり、ボクをまるで、
にんげんみたいに扱われる
のもちょっと引いちゃうんだよね。
だってノラだもん。
以前は、ちょっと若いにんげんのメスに飼われていたことが
あったんだけど、そんな理由で、そのにんげんのメスが
引っ越し
をした時に逃げ出しちゃった。
でも、そのにんげんのメスだって、新しい彼がネコがキライ
だった
ってことで、ボクがいなくなってラッキー!
って感じだったよ。
まあ、お互いのために良かったってことだね。
で、生活になかなか忙しいこんなボクでも、たまにはいろいろ
考えたり気になったりすることがある。
最近、ボクの散歩コースに見た事の無い花が咲いたんだ。
ボクは「おはよう。キミ、見たことないね。どこから来たの?」
って話かけてみたんだけど、その花は何も話さない。
花は、言葉をしゃべれないのかな?
それとも、ネコのボクを警戒しているから無視しているのかな?
心配しなくていいのに。
ボクは花を食べないし、食べないからといって、いたずらしたりも
しない。
花は好きなんだ。
ボクは毎朝、その花を散歩のついでに見に行った。
いつも「おはよう」と声をかけるのだけど、花はなんにも
しゃべらない。
でも、ボクはその花が好きだから毎朝見に行っていたんだ。
不思議と、その花は枯れなくて、いつも咲いているんだよね。
なんでだろ?
そのうち、ボクは声をかけることもしなくなったけど、
花の様子を
良く観てみることにしたんだ。
黙って、ただ花を観ている。
花は、たまに風に揺れたり、雨粒にあたってピョン!となったり
する
だけで、やっぱりなんにもしゃべらない。
でも、ボクは毎日花を見に行った。
なんでだろ?
なんでボクはあの花が、あんなに気になったんだろう?
他にも、もっと色がキレイな花や、大きな花や、においの良い花が
あるのに。
でも、あるときボクは気づいた。
この花はここにあるだけで、ボクを喜ばせてくれたんだね。
ボクが毎日見に来たくなるぐらいに。
その毎日はとっても楽しくて、ウキウキしていたんだ。
毎朝、待ち遠しかった。
雨の日も、見に行ったんだ。
雨に濡れた花ってキレイだから。
ちょっと寒い時もあったけどさ。
それが分かったら、他の当たり前に思っていた花たちも、
いつもと違って、新鮮に、キレイに見えるようになった。
元々、他の花もキレイだったんだ。
ボクがそれに気づかなかっただけだったんだ。
ボクがそのことを、その変わった花に伝えようとしに行ったら、
その花はもう枯れていた。
残念だったけど、かなしくはならなかった。
その花のおかげで、ボクは花を知ることが出来たから。
そして、その変わった花は、枯れていても、キレイだったから。
「ありがとう」という言葉もいらなかった。
その花はキレイだった。
そして、ボクはその花をもう見に行かなくなった。
。。。。。。。。。。。。。。。
おしまい